岡山大学山岳会・岡山大学山岳部

ネパール西部・ダウラギリ地域の学校と村落支援・交流活動

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剣岳撮影山行記録(藤田信)

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8月の裏剣撮影山行が雨で芳しくなかったので、天候を見定めて再度剣に入りました。

剣々と拘るのは50余年前の思い入れがあるからです。3年生夏の固定合宿の時、剣沢を降って二股を経て三ノ窓雪渓(今は三ノ窓氷河と呼ぶそうです)を詰めて三ノ窓に到った事がありました。何方と一緒だったか、三ノ窓で何をしたのか覚えていません。もともと早月尾根2,600mのACが受け持ちだった私が、なぜわざわざ剣沢から登ったのかも思い出せませんが、この時に見上げた“これぞ雪と岩の殿堂だ。”と衝撃的に脳裏に焼きついた景観が忘れられないのです。どの谷を見上げたのかも判らなくなっていたのですが、今思えば三ノ窓雪渓とチンネ・八ツ峰とが織り成す造形美が焼きついたのです。

平成23年6月、青野君と残雪豊かな剣を眺めながら奥大日を往復し、また平成25年9月のOB合宿で秋を迎えようとしている剣を眺めしている時、ふっとこの光景を思い出しました。思い出す光景は、それが小窓や三ノ窓雪渓なのか長次郎や平蔵雪渓なのか全く判りません。或いはハシゴ谷乗越辺りから眺めたのだったかも知れないと、半世紀以上前の記憶は薄れてしまっていました。それが今年8月の裏剣撮影山行の時に少しは見当がついたのです。仙人新道1,700m付近から見る三ノ窓氷河の光景が“これぞ雪と岩の殿堂”に少し似通っている様に見えたのです。「どうも三ノ窓氷河だったのではないか?ただ半世紀前には仙人新道は無かったから、剣沢北股の下部からの眺めだったのだろう。」と胸を躍らせて二股に降りたのですが、雨とガスで撮影どころではなく仙人池ヒュッテに引き返しました。

50余年前に感動した光景をやっと見つけたはずなのに写せない悔しさ、是非にももう一度と今回の撮影山行になりました。


平成27年9月28日(月) 曇りのち晴れ 月齢14.8
4:50自宅出発、東京駅経由北陸新幹線8:30富山駅着、富山地鉄・ケーブル・バスを乗り継いで、11:05室堂ターミナル(2,433m)着。12:00雷鳥坂登口(2,260m)→14:00~14:30剣御前小舎(2,760m)→15:10剣沢小屋(2,530m)、19:00就寝。
 
北陸新幹線とジパング倶楽部を使うと、信濃大町→黒四ダム→室堂より往復で\4,000.-安くて1時間早く着ける、便利になった。

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写真1 “風収まらず、剣の朝” 剣沢小屋近くで
 
剣御前小舎で坂本君に会う、変わらず元気だ。真砂沢ロッジが満員で断られた事を彼に話すと、「真砂沢ロッジは小さいから満員の時は無理に泊まる事は出来ない。仙人池ヒュッテまで行く外ない。真砂からヒュッテまで藤田さんの足で5~6時間は掛かるから、今日はこの小舎には泊まらず剣沢小屋まで行った方がよい。」と予約も取ってくれた。彼と呑むのを楽しみにしていたが、明日がきついのはより敵わぬと剣沢小屋まで降る。小屋の近くの池に映る剣を撮るが、今年入選した写真“一瞬の静穏”のような無風ではなく、剣も焼けない。小屋はほぼ満員。

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写真2 雷鳥沢と剣岳(左) ミクリガ池付近で

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写真3 奥大日岳 雷鳥坂2,500m付近から


9月29日(火) 快晴のち晴
4:50起床、朝食後撮影。6:15出発→7:00剣沢2,235mでアイゼンを着ける→7:30平蔵谷出会(2,065m)→8:00一ノ沢出会(1,855m)アイゼンはずす→8:30~9:00真砂沢ロッジ(1,749m)第一昼食→10:30二股(1,580m)→10:40~12:15北股1,610m付近で撮影と第二昼食→12:50~14:25仙人新道1,730m付近で撮影→16:00仙人池ヒュッテ(1,840m)、19時就寝。
 
朝も撮影するが、剣は赤くはならなかった。
剣沢は平蔵谷出会のずっと上まで雪があり、安定している感じ。雪は一昨年のOB合宿の時よりずっと上まで沢山残っている。
真砂沢ロッジは今年の大雪でかなり傾いており、主人・佐伯成司氏の話では建替えは1億円を超えるそうだ。84歳の親の介護もあって、9月30日限りで営業はもう止めると言う。

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写真4 平蔵谷 剣沢との出会から

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写真5 長次郎谷 出会から高度約100m上で

二股の橋をわたり、仙人新道登り口から見上げる三ノ窓氷河は思い描いていたスイスアルプス的な“雪と岩の殿堂”らしい、矢張りここだ!だが学生時代に眺めた光景はもっと岩が多かった様に思う。もう少し上から眺めたのだろう。廃道に近い北股・池ノ平へのルートを登りながら見上げると、やはりそうだ、雪と岩とに思い出の光景には無かった紅葉が加わってまるで“宮殿”とも見える光景!半世紀振りに眺めるこの景観(写真10)、幻ではなかった。抱いていたより輝いている。暫くは見とれていたが、三脚を立ててじっくり撮影を始める。フィルターを換え絞り値を変え、焦点距離を替え構図を変えてとり続ける。なかなか想い抱いていたような構図にならない。三ノ窓氷河に八ツ峰の影がもう少し落ちてくれると絶好なのだが、ガスが出てきて諦める。仙人新道の途中でも写すが先程の比ではない、この新道の登りは標高差600m弱、急登できつい。

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写真6 真砂沢 出会から

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写真7 三ノ窓氷河 二股の橋から

仙人池の畔で空が焼けるのを期待して待ったがだめだ。仙人池ヒュッテも込んでいる、皆さん紅葉を愛でに登ってきているのだ。“池ノ平の紅葉はここよりずっと綺麗だからもう一日泊まって観て行きなさい”と勧められ、少し迷ったが予定通り一泊とした、これは結果として良かった。

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写真8 小窓ノ雪渓 仙人新道1,700m付近から

この小屋で剣御前小舎の坂本君の評判は良い、“あの大きな優しい人でしょう。あの人がいるから(剣沢小屋まで)降らずに御前小舎で泊まるの。”と客の皆さんが云っている。責任者の好評は小屋の営業にとても大切なのだなと知る。

北陸の人達は朝一番(5時)の立山ケーブルで上がり、剣沢を降って一気に仙人池ヒュッテや池ノ平小屋まで来て紅葉を愛で、翌日は来た道を引き返して帰路に着くと言う。60歳半ばのご夫婦がそう云ったので驚いたが、当り前らしい。それに夏場に剣に登る時はカニノヨコバイやタテバイが混むのを避けるため早月尾根を行くと云う、それも尾根の昼の暑さを避け、夜中0時頃馬場島を出て午前10時頃には降りているそうだ。剣が如何に身近にあるかが良く判る。


9月30日(水) 快晴 月齢16.8
4:30起床、5:15~7:00池の辺りで撮影、4℃7:15仙人峠→9:55二股の橋→11:30~12:00真砂沢ロッジ・昼食→12:30剣沢1,820m付近でアイゼン着ける→13:00~14:00長次郎谷を少し登って見るが良い構図はない→14:10平蔵谷出会→15:002,210m付近でアイゼン脱ぐ→16:10剣沢小屋16:30~17:30傍の池に映る剣を撮る。19時就寝。

朝の仙人池では裏剣が赤く染まってくれる、それが鏡の様な池に映って結構な被写体だが雪を被っていないので今一だ(写真9)。
ここは名だたる撮影ポイントで、紅葉に初雪を冠った裏剣、しかもそれらが朝日に朱に染められて無風の鏡の様な池面に投影される。これで初めて良い山岳写真と認められる程撮り尽くされている。雪が来たら其の日で紅葉は落ちてしまうから、こんな条件は10年に1度あるかどうかだそうだ。

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写真9 “裏剣、静穏” 仙人池に映る裏剣と紅葉、これで雪を冠っていると最高だが・・・。

帰りの剣沢は標高差900m距離6km弱、緩やかな登りだが結構きつい。出来れば坂本君の小舎まで行きたかったが、長次郎谷を登って見たりして遅くなり矢張り剣沢小屋に泊まる。


10月1日(木) 晴のち風雨
4:30起床5:10~7:00剣沢小屋傍の池で撮影7:30出発→8:45~9:15剣御前小舎早い弁当、風強い→10:30雷鳥沢の橋→10:50頃から風雨強し→11:45室堂ターミナル12:00高原バス発車→JR富山で新幹線1時間待ち→19:30自宅着。

今日は下山するだけだと池の辺でゆっくり撮影する、この時はほぼ無風だったが冠雪は無い。朝日が顔を出しかけると風も出始める、日が昇り切ると風は収まって来る。真剣に写真に取り組むまではこんな微妙な現象には気付かなかった。雪が無く、風があってあまり良い写真(写真1)にはならないが、当初の目的・“雪と岩の宮殿”が撮れたのだから贅沢は言わない事にする。

小屋を出て暫くすると急に風が強くなる。剣御前小舎少し手前で西からの強風に煽られて転んだ。坂本君から「新室堂乗越へは廻らず雷鳥坂を降りた方が少しは風を避けられる。」とのアドバイスを得て、写真としては魅力の少ない雷鳥坂を降る。室堂平は風雨が荒れ狂っている、これほど早く強く崩れてくるとは予想できなかった。仙人池ヒュッテでもう一泊していたら、今頃は剣沢雪渓の登りで激しい向い風に苦労する所だった。この風雨で紅葉は全て散ってしまっただろう、爆弾低気圧の影響だと言う。6月の奥穂・白出のコルでの吹出しもきつかったが、今日も激しい。ただあの時は+1℃だったが今日は+14℃、まあ良し。

半世紀余抱いていた“雪と岩の宮殿”が撮れた。満ち足りた気分で帰路に着く。


撮影山行への私の思い入れ

山頂を目指す普通の山行をされる方には、このような撮影山行は奇異に思えるかも知れない。

目の前に堂々たる剣を仰ぎながら、それに登る事をしないで周辺を歩き廻っている。“血が騒がないのか?”と思う方も多いだろう。だが剣を撮るのに剣に登ったのでは剣が見えないのだ。それと撮影に徹しないとこれはと言う写真は偶然には取れない事が今頃判って来た。私も“純粋な撮影山行”は今年8月の裏剣と今回とで2回目だ。

平成25年5月の徳本峠・霞沢岳では写真も撮ったが、霞沢岳に登ると云う目的も持っていた。この時の写真の内2点が入選出来た。
入選した事で山岳写真に欲が出てきた、それまでは周りの人に見て貰うだけで満足していたのだが、「よし!また入選するようなのを撮るぞ。」の思いが強くなり、同年9月の剣OB合宿も私だけは撮影山行の様な行動を取らせてもらった。その甲斐あってこの時の一点も“2015全日本山岳写真展”に入選した。これで益々撮影山行に熱が入り、2回も続けて剣へ入る事となった。

それと焦りもある。「75歳になった、山へ入れるのもせいぜい後1~2年だろう。其の間にこれはと云える作品を残したい。」の想いはどんどん強くなってくる。写真の中に私の“山への強い想い、厳しい山への憧れ”を表したいのだ。私を鍛えてくれ、我が生きる力をくれる山を・・・。もう少し若い時から始めておけば良かったと省みるが、10年前は写真より登る事の方に気が往っていた。しかし最近は、アイゼンを着けピッケルを握って雪中に立つ時の昂揚感、「ここからは己の精神と肉体だけが頼りだ。」はぼつぼつ無理になってきた様だ。それを“せめて山岳写真に表したい”の一心で撮影山行を続けている。

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写真10 “まさに雪と岩の宮殿” 三ノ窓氷河とチンネ・八ツ峰 剣沢北股下部から望む

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[ 2016/04/25 14:50 ] 山岳会員の山行報告 | TB(-) | CM(-)

冬壁の一日(山崎)

南光河原駐車場で車を降りた時点では、まだどのルートを登るか決めていない。元谷まで登って北壁全体のコンディションを見てからルートを決めることにしているので、とにかくクライミングの装備は全て持って行くはずが・・・ここで大事なギアを忘れたのは事実である・・・

元谷から北壁を眺める・・・

北壁西側のフェース北壁西側のフェース

天候はまずまず、南岸低気圧が雪を降らせて去った後、弱い冬型の気圧配置になっているはず。ということは午後にはガスが上がってきて風も若干強くなる。

北を向いたそれぞれの谷筋にはたっぷりと新雪が積もっている。ここで考えることは主に2つだ。第1に壁がガッチリと凍っているかどうか?特に別山北壁や大屏風は、岩が緩んでしまう位に気温の高い時に登るのは危険だが、今朝は良いコンディションに見える。第2に壁の基部までのアプローチルートに新雪雪崩のリスクがあるかどうか?今日は規模は小さいながらもリスクがあるように感じる。

パートナーのTとしばらく相談した結果、別山バットレス北壁の中央稜に決める。ただしルートの開始地点までのアプローチは、普通は元谷小屋奥の尾根の東側を登るのだが、今日はアプローチ上部で弥山尾根付近からの雪崩もありえるので、尾根通しを登ることにした。つまり元谷小屋から中央稜ルート開始地点を目指して尾根上をラッセルすることになる。

北壁西側のフェースと別山バットレス別山バットレス北壁の中央稜ルート(赤のライン)

案の定、ラッセルは厳しい。腰までの積雪の中、急な斜面では胸までのラッセルをTと2人で交替しながら進む。約2時間のアルバイトで別山バットレスの基部に到着。改めて壁の状況を観察しながら、クライミング装備を身につける。

防寒着に着替えてハーネスを装着。ハーネスのギアラックに確保用のカラビナや制動器を掛けてゆく・・・なんか足りないな・・・オー、ピトン(ハーケン)を全部忘れた!冬壁用に買っておいたアングルピトン(氷雪の詰まった割れ目に打ち込むV字型のハーケン)とナイフブレード(同じく幅の広い割れ目用)各種・・・

ここでルートの状況を必死で思い出して、ピトン無しで行けるかどうか、気持ちの上で確認。ビレイポイント(確保地点)には残置ピトンや残置ボルトがあるはずなので、登ることには問題ない。この場合心配なのは、いざ壁の途中から撤退という時の懸垂下降や自己確保のために、それらのギアが要るかも知れないという懸念だ。

別山バットレスのプロフィール(弥山尾根から)別山バットレスのプロフィール(弥山尾根から)

急な雪璧からルートを登りはじめる。隣の弥山尾根に3人パーティーが取り付いている。我々よりも早い時間にクライミングを始めていたが、最初のピッチをトップが登っているところだ。我々は開始地点から50~60Mほど登って中央稜のリッジ上に出たが、まだまだ上部までコンティニュアス(お互いにロープで繋がっているがランニングビレイ以外の確保はしない)で登るのでスピードは速い。時間を忘れて中央稜を半分ほど登ったところでしばらく休憩。後続のTを待って、ここからはお互いを確保しながら登ることにする。

別山バットレス北壁中央稜のルート
別山バットレス北壁中央稜のルート(赤のライン)

ところどころ際どい部分を乗り越えながら、2ピッチ登って核心部の凹角下部でビレイ。雪が降っているが風はほとんどなく、ノンビリしたクライミングだ。凹角の岩の部分まではアイゼンの前爪を氷雪璧に蹴りこんでのスムーズなクライミング、ただし頼りになるランニングビレイ(中間確保)はあまりない。そんな状況から凹角下に入り込んで初めて埋込みボルトにランニングビレイをとる。浮石を慎重に確認しながら、凹角をまたぐ体勢で登ると、股の間から急なリッジが切れ落ちているのが見える。凹角を突破して確保地点へ。今度はTが登るために確保する。

私はガイドクライミングでも何度もここを登ってるが、Tは今日がこのルートの初クライミング。凹角では少し苦労していたが、さすがにベテランだけに安定して登ってくる。実はここから上部にも、きついオーバーハングと、おっかないナイフリッジが待っている。

天候はまだまだ崩れてはいないが、雪と風が少しづつ強くなってきている。隣の弥山尾根を登っているザイルパーティは、まだ我々よりも100Mくらい下で苦労している。彼らは日没までにルートを登りきることが出来るだろうか・・・

次のピッチのオーバーハングを越えると、雪璧の傾斜がゆるくなり、やがて右上部に別山北壁の最高点が見える。そこまで1ピッチを残してビレイ点を作り、Tを確保。

最高点まで40M、その先は大山の頂上稜線までナイフリッジが続いているが、これがまたいやらしい。特にナイフリッジのクライムダウンには気を遣う。Tがトップで降りる。途中のコル(鞍部)で確保。ここからは再びコンティニュアスクライミングで頂上稜線を目指す。

別山山頂からのリッジ
別山山頂から右へリッジが続く

ナイフリッジを15分ほど登って頂上稜線の雪のプラトーに出る。ここで本日のクライミング終了。登ってきたTとガッチリ握手して、早々に装備を片付けて下山を開始する。

風雪がいっそう強くなり、6合目の避難小屋まで下る間に顔半分の眉毛や髭に氷が張り付く。吹雪が痛くて風上に顔を向けることは出来ない。これは冬の大山の稜線では普通のこと。しかし弥山尾根のザイルパーティーはまだ北壁を抜けていないと思われるので心配だ。あと2時間もすれば暗くなってくる。北壁を抜けさえすれば、頂上の避難小屋でビバーク出来るので安全だろう。

5合目の少し上から元谷側に下降。一般ルートを歩いて降りるのが面倒なので、元谷まで一気に滑って降りる。非常に快適。頂上から1時間で元谷に到着。北壁は完全にガスに覆われて、既に近づく者を拒否しているようだ。気がつけば、2人ともクライミングに夢中で昼飯を食べ忘れていた。それに気が付いた途端に腹が減ってきた。




[ 2015/01/07 23:19 ] 山岳会員の山行報告 | TB(-) | CM(0)

【報告】2014/5/30~6/3 岡大山岳会 立山・劔OB合宿

2014年 岡山大岳山岳部OB合宿 報告
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【参加者】(10名) 川西、大内、石原(武)、香川、黒田、渡辺、東、山崎(裕)、山崎(江)、安倍(院1)
【行動記録日程】

5/30(金)

各地から立山、室堂(みくりが池温泉)へ集合した。岡山からは車2台で(川西、香川、安倍)(大内、石原(京都から同乗)、山崎(2名))の7名が移動。途中工事渋滞などがあったが、ほぼ時間通りに進行。立山駅前の駐車場も登山者の少ない時期だけに良い場所に駐車出来た。

室堂ターミナルからみくりが池温泉へ移動。みくりが池温泉には東京からの黒田が到着しており、この日入山予定の8名が室堂に集合完了した。山岳部安倍は雷鳥平テン場で雪洞泊の予定のため、雷鳥平へ降りる。


5/31(土)

香川、黒田、山崎(裕)、山崎(江)、安倍の5名は6:00過ぎにみくりが池温泉を出る。安倍は昨夜、快適な雪洞を作り、頭だけ外に出して星を眺めながら寝たという。朝にしては、予想通り気温高め。まずは一ノ越へのルートを歩く。我々の左の谷筋を雷鳥平から2名が登っている。見ていると、雄山方向へ登っているようだったが、そのうち少し下降して一の越へのルートに乗った。もしかして雄山斜面の雪の状態が悪くてルートを変更したのだろうか?我々の今日のルート選択にも関係があるので歩きながら観察していたが、彼らはそのまま一の越へ先行していった。

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7:00、祠堂付近と思われる地点からトレースを外れ、雄山ルンゼの出合いに向けて左上する。安倍が先頭でルンゼ左岸の雪面端部に沿うように登るルートで、ルンゼ内に入ると傾斜も増して高度が上がる。まだ朝の内なので心配ないとは思うが、ルンゼの中心線には接近せず、またルンゼを横切ることもしないようほぼ直登。雪崩はないかもしれないが、ルンゼの中心線付近を落ちてくる落石はほとんど音がしないので注意が必要。

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雄山ルンゼを半分も登ると、トップを交代しながら登り続ける。時折バケツを掘り、又は草付きにて休憩。そろそろ川西、大内、石原も新室堂乗越経由で、剱御前小舎を目指して登っているはずだ。奥大日から下りている稜線から下部の斜面を探してみたが、登山者の姿はまだ見えない。昼近くになって雪面が腐り始めると、かなり登り辛いだろうと想像する。

雄山ルンゼも快適に最上部に達し、一の越からの立道登山道を登る人たちがすぐ右に見えるようになる。雄山神社の30メートルほど直下で岩の出ている部分を左から回りこみ、しばらくトラバースして夏道登山道に出てアイゼンを外す。10:00。

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ここからは晴天の立山を縦走。雪庇を慎重に見ながらも、折立の下降では数少ないシリセードのチャンスを逃さず。途中の休憩は毎回のんびり時間を取り、残雪の立山を満喫することが出来た。特に15:20、別山からの劔岳東面は圧巻の眺めであった。

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別山から剱御前小舎への下降途中で渡辺(御前小舎から別山へピストン)と挨拶。小舎で坂本の歓迎を受け、やがて東(一ノ越から雄山経由で山崎カールをスキー下降後新室堂乗越経由で剱御前小舎)も合流。今回も良い合宿になりそうだ。安倍はこの後の2日間も雪洞泊を計画していたが、川西と坂本の相談により小屋泊となった。

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6/01(日)

7:00、香川、黒田、東、渡辺、山崎(裕)、山崎(江)、安倍の7名は、剱沢を下降して長治郎雪渓に少し入り、帰りに雪上訓練の予定で出発。東はスキーで真砂沢ロッジ付近まで下降して登り返す予定。

昨夜の時点で、雪の悪さから別山ルートから劔登頂を見送ることを決定していたが、長治郎左俣から登頂して平蔵谷を下降するルートならば安全に登ることが出来る。しかし、昨日の様子から考えて、剱岳登頂は来年まで待つことに決めた。一年後にはもっと自然にスマートに登れるはずだ。そのため、暗い内に出発することもせず、小屋で朝食後に出発。

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剱沢を下降しつつ感じたのはやはり気温の高さだ。別山側の斜面をトラバース気味に下降する途中も、横からの落石と湿雪雪崩の怖さを感じつつ、時折斜面を見上げて考える。登り返す時にはさらに気温が上がって良くないだろうと想像する。この時点で、午後になるであろう雪上訓練も可能性が薄くなったことを知る。

剱沢を下降していると、テン場から傾斜が大きくなり一気に谷筋に出るが、この時左側に見える劔東面には登攀可能な谷と尾根が順番に並んでいる。

まず登りたくなるのが武蔵のコル(前剱と一服剱の鞍部)から降りる谷だ。ここから別山尾根ルートに上がるのも悪くない。続いて前剱の東支尾根があり、その向こう側が平蔵谷だ。平蔵のコルまで特に問題なく快適なルート。

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8:20、平蔵谷出合い。平蔵谷左岸には源治郎尾根がせり上がっているが、この時期は着雪が中途半端で登りにくく見える。夏山でなければ、もっとしっかり雪の付いている5月上旬頃までが良さそうだ。もうこの時期には大きな落石が怖い。源治郎尾根Ⅰ峰側壁のルートを目で追うものの、ここは最近どのくらいのクライマーが登っているのだろうか?この側壁は2つの岩壁が上下に重なって出来ており、下部岩壁の中谷ルートは平蔵谷から湿った凹角とスラブを8ピッチ。上部岩壁は中央バンドから名古屋大ルート(8ピッチ)と成城大ルート(登ったこと無いので何ピッチか知らない)があるが、名古屋大ルートはボルト連打の人工登攀で、快適そうな成城大ルートを横に見ながら登った記憶がある。

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源治郎尾根の末端を過ぎ、8:40、長次郎谷出合い。ここから長次郎雪渓が延々と続いている。ずっと上の方に八ツ峰6峰の各フェースが見えるのでここでの初墜落経験(Dフェース富山大ルート3ピッチ目)を安倍に話す。香川先生の双眼鏡を借りて上部を観察すると、八ツ峰の頭の左側、池ノ谷乗越までトレースが見えるが、ここから池ノ谷ガリー経由で三ノ窓に入った人がいたのだろうか?まだ新しいトレースのように見えた。熊の岩の左側上部には左俣を経て長次郎のコルがあるはずだが、我々が登った最後の地点からは見えなかった。しかし気温や雪のコンディションから考えると、長次郎左俣をそのまま詰めるのは危ないように感じた。右俣を熊の岩の上まで登り、そこから左俣へ入ることになるだろうか...そんなことを考えていても、今回はもう登らないので気楽なものだ。

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9:10、ここで帰ることにして、再び剱沢に戻り、登り返し。11:00休憩と昼食。劔を眺めていると、山頂から南東面の壁をスキー滑降するパーティーがいた。後で坂本に聞いたところ、最近は山頂からスキー滑降する人も増えているらしい。ルートはインディアン・クーロアール(源次郎尾根へ上がるルート)の左の大脱走ルンゼだったようだ。12:30頃には剱御前小舎へ帰り、午後一杯のんびりと休養を楽しむ。この日、川西、大内、石原は別山へピストン。東は別山から真砂沢をスキー下降し、8:50頃真砂沢ロッジ(跡?)、9:00頃近藤岩まで行った後、剱沢を登り返し、長次郎谷出合いから長次郎雪渓2370m付近(12:00)まで登ってスキーで降り、14:50頃剱御前小舎に帰着。東の機動力と山スキーの面白さに全員感心する。


6/02(月)

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7:10、坂本に感謝し、再会を約束して、全員で室堂へ下山開始。できるだけシリセードで降りる。東は山スキーで下降。途中から黒田は先行して下山。渡辺、東はみくりが池温泉で別れ、9:20、川西、大内、石原、香川、山崎、山崎、安倍、室堂着。帰りのバスに乗り込んで合宿終了。


【山崎感想】

●雪量が豊富で時期的には良かったが、雪のコンディションを考えれば2週間程度早めの5月10日前後の設定の方が良かったと思われる。来年の合宿時期の設定としては、5月連休明けの山小屋が繁忙期を過ぎた時期で最も早い時期に設定したい。具体的には5月15~18日頃と考えられるが、山岳会のネパール学校支援交流事業の実施時期と考えあわせて調整したい。

●昨年の秋合宿、今年の残雪期合宿に継続して、来年は残雪期の劔岳山頂を目標としたい。今回の偵察結果からも、ルートは長次郎左俣~剱岳~平蔵谷下降と考える。

●来年度は山スキーを大いに取り入れるべきと感じた。剱岳登頂時にも劔御前小舎から平蔵谷出合までスキーで降りてデポし、下降時に回収して剱沢をスキーで登り返すという行動が面白そうだ。

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[ 2014/07/22 11:03 ] 山岳会員の山行報告 | TB(-) | CM(0)

OB合宿@劔・立山報告(山崎)

OB合宿無事終了しました。皆さま、お疲れ様でした。

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今回は何より天候に恵まれ、素晴らしい山行を楽しむことが出来ました。ただし、当初は22日に長次郎雪渓上部左俣から長次郎のコル経由で登頂する計画を考えたものの、雪渓出合の危険性や上部のクレバスのため計画変更せざるを得ず残念でした。

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23日は東先輩のみ雷鳥平・一ノ越経由でタンボ平まで行かれ、なんとか計画を実行して頂いたような形でした。

次回(H26年度)合宿は、梅雨入り前で残雪の多い6月中旬~下旬に設定したいと思います。

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剣御前小舎の坂本君にはただ感謝です...佐伯オーナーにも忙しい中で心遣いをして頂き、滞在中はこれ以上ないほど快適に過ごさせて頂きました。ありがとうございました。

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(以下行動記録)

9/20(金) 室堂より剣御前入山

メンバー:藤田信、石原武美、青野ダイチ、香川弘昭、東善広、安倍慎一郎、山﨑裕晶、山﨑江理)
行程記録:室堂…雷鳥平…雷鳥沢…剱御前小舎


9/21(土) 劔岳登頂 及び室堂より剣御前入山

メンバー:青野ダイチ、香川弘昭、東善広、安倍慎一郎、山﨑裕晶、山﨑江理
行程記録:剱御前小舎6:13…7:09剣山荘7:20…一服剱7:55…タテバイ10:15…10:50剱岳
11:50山頂発…13:15前剱13:35…15:16黒ユリのコル15:34…16:25剱御前小舎

メンバー:藤田信
行程記録:剱御前小舎…剱沢小屋…長次郎谷出合…剣山荘…剱御前小舎

メンバー:石原武美
行程記録:剱御前小舎…剱沢小屋…剱御前小舎

メンバー:大森武生
行程記録:室堂山荘…室堂乗越…剱御前小舎

メンバー:渡辺泰彦
行程記録:室堂…雷鳥平…雷鳥沢…剱御前小舎


9/22(日) 立山縦走、タンボ平、五色ヶ原 及び 室堂下山

メンバー:石原武美、香川弘昭、安倍慎一郎、山﨑裕晶、山﨑江理
行程記録:剱御前小舎5:48…剣沢分岐6:16…8:33富士ノ折立8:54…9:10大汝山9:30…9:52雄山10:00…10:45一ノ越11:32…12:05室堂(室堂山荘)12:20…12:25室堂

メンバー:渡辺泰彦
行程記録:剱御前小舎…雷鳥沢…雷鳥平…一の越…五色ヶ原
(…9/23薬師岳…太郎平小屋/24有峰口下山)

メンバー:東善広
行程記録:剱御前小舎…雷鳥沢…雷鳥平…一の越…東一の越…タンボ平…黒部平…室堂

メンバー:藤田信、大森武生、青野ダイチ
行程記録:剱御前小舎…新室堂乗越…雷鳥平…室堂


[ 2013/12/10 00:05 ] 山岳会員の山行報告 | TB(-) | CM(0)

大山北壁大屏風岩(山崎)

昨日、宝珠尾根から三鈷峰への帰り、その気はなかったのに、久しぶりに大屏風のルートをじっくり見た。崩落が一段落しているようで、そろそろまた登れるのではないかと感じた。厳冬期には毎週通ったこの壁、初めて完登した時の下降は夜になってしまい、パートナーと一緒にグロッキーだった。港ルートの空中トラバースは脆い岩がほんとに怖かった。アイゼンの前爪でジャミングしたのは初めての経験だった。寒い冬にがっちり凍れば、また登って良い感じがする。数年前に守分お師匠が西リッジを単独でやってみたと言ってた(途中までで時間が無くなったそうな)。壁でビバークしながら、西リッジあたりからやってみるのが手頃。中央のルートの様子がもう少し詳しく分かるだろう。体中凍りつきながら齧り付いて登った懐かしい壁と、なんとなく再会して思った・・・誰か一緒に行くなかぁ・・・

oobyoubu.jpg

こちらは簡単、楽しい北壁。壁といってもかなり寝ているので、冬壁新人さんやゲストを連れてゆくには適当。やはり冬でないとダメですが・・・

それにしても、上宝珠乗越から下降した砂すべりの荒れ様がひどかった。数年前にはまだ砂利斜面が残っていたが、今は殆ど岩の骨組みが剥きだした状態。この谷は早晩入渓禁止にしたほうが良いのではないか…後から降りてくる相方の心配をしながら、できるだけ急いで降りた。足元の崩壊は知れている。左右からの落石や崩落が怖いのは白馬大雪渓と同じ。

[ 2012/10/11 20:52 ] 山岳会員の山行報告 | TB(-) | CM(0)
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