岡山大学山岳会・岡山大学山岳部

ネパール西部・ダウラギリ地域の学校と村落支援・交流活動

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2007/10/28 『浮雲の思いの人々の国』(山崎)

ホテルのビュッフェで朝食をいただき、送迎バスで新空港へ。タイ国際航空TG319便でバンコクをあとにする。ここでは出国税が1人700バーツ(約2,450円)が必要だそうだが、団体受付カウンターではじめてそれを知り、早速集金して空港事務所で支払う。セキュリティチェックはわりと簡単。しかし新空港はとても広いので、搭乗ゲートまではかなりの歩きを強いられる。

現地時間12:45、日本とは3時間15分の時差があるので日本時間では午後4時、ネパール王国(今のところ・・・)の首都カトマンズに到着。ボーイング777の後部タラップから地面に降りる。空港内なのでコンクリートの地面ではあるが、久しぶりにカトマンズ標高1,300mの大地に足をつけることが出来た。すぐに人数確認してイミグレーション(入国審査)へ。今回はツアー会社に段取りを依頼しての旅行ではないので、ここで自分たちでビザの申請をしなければならない。日本から用意してきた写真と、県岳連事務局のFさんが参加者1人づつに配布した30US$のビザ代金を申請書と共に提出。イミグレーションの手前の銀行カウンターでビザ代金を支払い、入国審査を終えるのにかなりの時間がかかる。係員はそれぞれ知り合いと雑談しながらノンビリと仕事を進めている。

空港を出ると、通訳のバイラジャ=シュレスタが出迎えてくれた。そのままバスに乗り込んでマナスルホテルに向かう。相変わらず、空港からバスに乗る間に勝手に荷物を運んで賃金を要求するものが数名。かわいそうだが、いまは遊んでいる暇がないので『ホイナ!(NO!)』と一蹴してしまった。彼らも自分と家族が食べてゆくことに精一杯であろう。集金を諦めた彼らの立ち去る姿は淋しそうだった。またまた、旅行者である自分の無用の感傷にいらだつが、それも自然の感情に任せようと思う。とにかくマナスルホテルへ参加者全員を無事に送り届けることだ。皆さん長旅で疲れてもいるだろう。明日からはトレッキング本番。今夜はゆっくり休んでもらわねばならない。

ホテルに向かうカトマンズの町は、やはり交通渋滞と排気ガスと埃でひどい有様である。王宮前を通過。今この王宮には国王家族はいないはずだ。

曲がりなりにも機能していた民主制を国王が強権で停止し親政を強いてから数年、それらの動きと長年積み重なる貧富差や地主制度に反発し、最終的にはカトマンズ以外の地方を中心に国土の7割以上を自治区として実質武力支配した毛沢東主義ゲリラグループ(マオバディ・マオイスト)の活動が活発化した。その数年間、登山やトレッキングでネパールを訪れる旅行者が激減し、老舗のホテルシェルパなど多くのホテルやエージェントが体力を使い果たして破綻した。この夏にネパール政府と毛沢東主義ゲリラグループの和平交渉が実現し、マオイストは議会に席を占めることとなった。議会は武装解除をしていないマオイストの瀬戸際交渉術(いつでも連立政権を離脱して闘争に戻る覚悟)におされ気味。王宮を国有財産とするとの決議を議会採択したことに国王が反発、というか半ば拗ねて王宮から出て行ってしまった。今は王族のプライベートな資産である別荘に滞在しているという。

国内の貧富差、それを生み出す行政制度の腐敗は確かにひどいものがある。ヒンズー独特の混沌を政治がそのまま反映している感じだ。もっと救いがたいことは、そのような貧富の差そのものは結果として受け入れざるを得ないものの、その是正を期待できるような教育やビジネスの機会まで、富める階層が独占していることだろう。地方で児童労働を強いられている子供たちにもっとよりよい教育と子供らしい子供時代を保証することが政治の義務である。

しかし、そのような改善を標榜しているはずのマオイストですら、指導者連中は本当の貧困からは遠いところで、貧困を取り扱う政治ゲームに終始している。そして貧しいものは、他の貧しい同胞に対して厳しく闘争心をあらわにし、富める者には愛想をする。人間の自然状態は、万人の万人による闘争であるのか、その混乱を避けるために、人間の天賦の権利を政府(または国王)に対して譲渡する社会契約論も、もはや王政を合理化する理論とはなり得ない。悲しいことだが、この国に公平が実現することはもう無理なのだろうか、国としてまとまってゆくことは出来るのだろうか・・・古京はすでに荒れて、新都はいまだ成らず。ありとしある人は皆浮雲の思いをなせり。というわけで自己防衛本能むき出しでバラバラになっている。すべてを決めるのは我々旅行者ではもちろんないし、国連の監視団でもない。

夕食はマナスルホテル(小ぢんまりとして庭園と赤レンガの建物が良い)のレストランでネパール料理をビュッフェ形式で頂く。今夜限りでアルコールを控えてください。とは言ってみたものの、皆さん、いや何人かはかなりの上戸のようだ。少し心配だが、上戸には上戸の自己管理方法がおありだろう。ノンアルコールを強制はせず、よく様子を見てゆこうと思う。

s-Nepal_Map.jpg

[ 2007/11/14 16:53 ] ネパールトレッキング記録 | TB(-) | CM(0)
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