イェティ山崎日記
山岳プロガイド山崎の日記、登山報告 等
200807<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>200809
戦略国家アメリカの凄さ
image49.jpg

久しぶりの国際政治経済ネタです。

年初の株式市場は616円下げて14691.41円で昨年来最安値となりました。増田氏によれば昨年来のアメリカのサブプライムローン問題で世界的に信用収縮しているせいとのこと。

確かにアメリカでは今、消費減退、雇用縮小、ガソリン代上昇、ドル安による輸入物価上昇などにより景気後退が進み、インフレがさらに加速してスタグフレーションに陥ろうとしているようにも写りますが・・・



前述の。増田氏によればサブプライムローン問題は利下げ、資金供給増に加えて財政出動をしなければ解決が長引き、実体経済が不況に陥ってしまう危険があるので、1月29・30日のFOMC(米連邦公開市場理事会)での利下げ決定と同時に、財務省から財政出動の発表が行われると言われています。

この時、株式相場は急上昇に転じると思われますが、注目するべきはそういった表面的な金融現象ではなく、このような財政的なテコ入れ自体が、米経済が住宅バブルと中心とした内需消費型から、外需依存型に方向転換するための戦術として機能していることです。

既にアメリカの国内金融構造転換が行われているとすれば、それは住宅バブル崩壊で破綻する個人向ローン会社を、企業融資主体の金融機関が安く買収するという現象となって現れるはずです。そうして体力をつける企業融資主体の金融機関の融資先は、やはり兵器産業とその周辺産業なのではないでしょうか?



確かに視点を変えてみれば、このサブプライムローン問題でアメリカ発行の金融商品(債権)が暴落すると言うことは、その金融商品の買い主(ほとんどが日本など米国外の資金)が大損をすると同時に、アメリカ側は債務が減って大きな得をすることになります。借金の額は減るが、借金をして投資した実体(住宅などの消費財)は小さくもならなければ消えもしません。アメリカは大量の住宅を外国から破格の安値で建ててもらったことになります。ここに、サブプライム問題で騒げば騒ぐほどアメリカが有利になる仕組みが見えます。日本のマスコミは報道に関しては無能ですが、太鼓持ちとしては有能です。



ドルという基軸通貨を持つアメリカは、ニクソンショック(金本位制の放棄)以降、印刷機を回せば回すほどいくらでも国際決済通貨をゼロから生み出すことが出来る国家となりました。そのドルの機軸性を防衛するために、イラク(オペックの原油決済通貨をユーロに替えようとした)を潰すことまでする国です。

しかし、今後のアメリカの戦略は少し角度が変わるように感じます。ドル紙幣を印刷して世界中にばら撒いた結果、借金はチャラに出来そうなので、もうドル印刷機を守る必要ななくなった。ところが、あまりに安易に富を偽造し続けた結果、世界的にいくつかの経済ブロックが成立して行きそうな今後、アメリカが中心となる経済圏は弱体化している。地道なトレーニングをせずに筋力増量剤に頼りすぎた結果です。そこで、これからは実体経済(金融テクニックで富を産むのではない製造業など)を強化したい。

その戦略は、テロ戦争を通して世界唯一の覇権国家のパワーを信用の元手に住宅バブルを演出した時点で既に始まっており、誰もがアメリカのパワーにひれ伏してありがたくドルを頂戴した後で、実はそのドルはもう価値がないけど責任は自分で取ってください。我々アメリカは国内経済に専念いたします。というわけです。

物を作って、売って、外貨を稼ぐ。そのためには製品を買ってくれる市場を確保しなければならない。製品が兵器ならば、市場となるのは戦争と国際的な緊張です。

今回の大統領候選でも民主党が政権を取れないのは、アメリカの国家戦略から当然といえるかもしれません。ヒラリー・クリントンが政権を取れば、政治の精度は上がるでしょう。しかしそれだけ芸が細かくなり、ブッシュのように『エイヤ!』と戦争は出来ません。アメリカという国家の意思が選択するのは、民主党候補オバマに共和党候補ハッカビーが勝利することではないでしょうか?ハッカビーは牧師さん。世界を相手に大芝居を打つような役者には見えませんが、アメリカが裏で世界各地の地域紛争を操作しながら、表向きは国内政治に内向きになっている体を取るには、うってつけの大統領になるのではないでしょうか?



1月29・30日のFOMC以降、アメリカは外需依存型への転換を加速します。勿論、最上客はミサイル防衛システムやイージス艦を発注してくれる日本です。アメリカとしては、日本に兵器を買わせるために北朝鮮には元気でいてもらわなければなりません。だからテロ国家指定も解除するし、核施設も廃絶から無能力化にレベルを下げる。一方で、兵器を購入する途上国に円借款を続けさせるために日本は好景気にしておく必要もあります。実際、バブル崩壊後の地道な体質改善で、日本の企業収益は過去最高であると同時に、民間では景気後退に対する緊張感が持続しているので再バブルのリスクは小さい。日本の景気が良くなっても、どうせ大部分の企業オーナー(株主)は外国人と海外のヘッジファンドだし、途上国の兵器購入はアメリカだけでなく、ロシアも中国もフランスも歓迎する・・・

富を求めて人工的に造られたアメリカという国家は、富を追求することを止めれば存在意義がなくなる国家です。戦略国家アメリカの凄さ(恐さ)は、その誕生時から、平和の追求ではなく、自由の追求でもなく、ただただ富の追求に一貫していることです。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
ホームページ アフィリエイト レンタルサーバー FC2ブログ