岡山大学山岳会・岡山大学山岳部

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『ある遭難裁判判決に寄せて』(山崎)

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登山ガイドに猶予判決北海道大雪山系の遭難死
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2004/10/05 神戸新聞より

北海道大雪山系トムラウシ山(2、141メートル)で登山客の女性を遭難死させたとして、業務上過失致死の罪に問われた登山ガイド(当時)の判決公判で、旭川地裁の餘多分亜紀裁判官は5日、禁固8月、執行猶予3年(求刑禁固8月)を言い渡した。餘多分裁判官は判決理由で「台風が接近する中で登山を強行するという、プロとは言い難い軽率な判断をした責任は極めて重い」と指摘、同時に「事件後はガイドを辞め、被害者の遺族に謝罪している」と述べた。判決などによると、被告の登山ガイドは自ら登山ツアーを企画し、2002年7月11日早朝、当時54歳から69歳までの男女7人を率いてトムラウシ山に入山。しかし、台風による悪天候で山頂付近で動けなくなった。同被告ら7人はヘリコプターで救助されたり自力で下山したが、福岡県の無職Tさん=当時(58)=が凍死した。

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アルプスでの山岳ガイドでは、たいてい我々が一番多くの人数を引き連れていることが多いのですが、他所のガイド登山の様子を見ていると、"ほんとにそれで大丈夫?"という登山ガイド(?)達がいます。本当に厳しい登山の経験をしていないことは、身振りや態度で分かります。実際に昨年の槍ヶ岳では、A社のお客と登山ガイドをまとめて我々が『ガイド』すると言うこともありました。


その上でこういう記事を見ると、裁判官に当時の状況を理解して裁けるはずはないのですが、やはりという気もしますし、このガイドさんは明らかに過失を犯していると思います。が、、、、"お前が悪い"ですまない、不安を感じることも事実です。他人事ではないというか...

先週末、30人連れて西穂に登ってきました。山岳ガイドは私とMさんと、昨年始めてヒマラヤ登山隊長を経験した後輩Uの3名、それと添乗員1名。お客さんの1人が独標から先を見て、あまりの怖さに断念。それ以外は全員登りましたが、いやいや疲れた疲れた。独標から先の往復は4時間余り緊張しっぱなしでした。小雨が振ったり止んだりだったので、岩もすべり易い雰囲気で(実際にはあまり滑らない岩質なのですが)、頂上下部のちょっとした岩壁部分は一人づつ、ガイドが真下に付いてガードしながら降ろすのに30分たっぷりかかりました。頂上~独標の下りでは、お客さんは緊張を失わずに保つ事を強いられたと思います。皆さん怖かったと思いますが、怖がっているうちは事故は起こりにくいもの。独標を越えたところでそろそろ雨が本降り、ヒヤヒヤものです。


というのはこの2週間前に、同じ西穂でやはり30名あまり連れて登り、途中で断念しているのです。このときは、何とか独標まで行きましたが、どうもその先が危なっかしく思えて、お客さんに待ってもらって僕一人先行して様子を見たのですが、独標で待っているMさんから"お客さんが冷えてきてるから早めに決めるように"との要請、その場で"引き返しましょう"ということになりました。実はこのあと、天候は回復しました。ロープウェイ駅に着いたころには青空も。僕一人悔やんでましたが、お客さんは全員、我々の判断を信頼してくれているので、もちろん文句を言う人はありません。秋空の中、爽やかな下山を楽しんで帰りました。

断念した理由は感覚でしかありません。本番前の7月に偵察山行して注意箇所は頭に入っているので、そのまま進んだ場合にどうなるかははっきり想定することが出来ました。あの時進んでいれば、何とか全員引っ張ってゆくことは出来たかもしれません。しかし、ほんの小さな不測の事態が起こった時点で、もう登山ではなく、サバイバルになると感じて引き返しました。こういう時の判断は、たいてい早いし、あっさり決まるものですが、いつも決めた後での疑問は残り、悪かった天候は回復する事が多くありますます。もちろん判断変更はありませんが。

2週間前の断念と、先週末の登頂成功と、どこが違っていたのかというと、具体的には風の強さですね。そして何よりも、そこから僕が感じる危険の度合いが、明らかに違っていました。したがって僕が一番怖いと思うのは、自分の危険に対する感覚・嗅覚が鈍ることですね。そうなると、もう人を連れてゆく自信はありませんし、許されません。いつかそういう時も来るのでしょうか?来ると思ったほうがいいのでしょう。

そのときは、釣りでもしながら、プライベートでブラブラ登ることにしましょう。ではでは...
[ 2009/02/04 00:47 ] その他もろもろ | TB(-) | CM(0)
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