岡山大学山岳会・岡山大学山岳部

ネパール西部・ダウラギリ地域の学校と村落支援・交流活動

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さらば!ヒマラヤ(山崎)

メラピークの山塊に背を向けて氷河を降りている。上空は青黒く晴れ渡り、一歩踏み出すごとに家に近づいていることが嬉しい。今回の登山に際して、お世話になりっぱなしの人達を思い出す。

高所キャンプの岩角を越えると、突然眼前の風景がひらけた。チョーオユー、この山の向こうはもうチベット高原だ。ローツェの南璧は黒々として5000mの岩と氷の壁。最高峰エベレスト。今年2月にようやく冬期初登頂を許した難峰マカルー。そしてはるか東の方角にはカンチェンジュンガが見渡せる。世界の高峰群のうち、5つの8000m峰を一度に眺めていることになる。

巨大な懸垂氷河が輝き、アイゼンを蹴りこむ足元から氷の破片が転がり落ちる、氷塔が軋む、おぉ・・・おぉ・・・さすがは・・・山。

私は無意識に、仲間が登っている山頂を振り返った。
『みんな!そこからこれ↓見えてるかー!』

s-DSCN7463sm.jpg

私は今日、ヒマラヤの高峰から降りる。もうここには来ないような気がする。

眼前の巨峰群にお別れを言う。

『さよなら、エベレスト。さよなら、マカルー。さよなら、カンチェ。ありがとう。ありがとう。ありがとう!』

西の谷へと雪が流れ、山はただひっそりと言葉も無い。

『これだけの景色を自分の目で見たのだから、もう満足して良いではないか?』

その昔、人類初めての8000m峰アンナプルナに初登頂したエルゾーグは、「山を降りよう。人生にはもう一つのアンナプルナがある。」と言った・・・

『失敗ばかりの人生だったような・・・』

カンジロバヒマール遠征やガッシャブルム主峰西陵初登の仲間の顔が目に浮かぶ・・・

『失敗ばかりでも、自分に嘘はついてなかったね?』

『そんな人生なら、良いけれど・・・』

私にそんな自信は無いが、多くの過去の夢は、それが叶わなかったものであっても、嘘ではなかった。

s-DSCN7497sm.jpg

ニュージーランド時代の同僚が、もう一度サザンアルプスへ来いと誘ってくれている。
日本の仕事仲間は、私のためにモンゴル・ホロンバイル草原への旅を企画してくれる。
カムチャッカのウスリー川流域のタイガ踏査は、私にとって年来の特別な計画だ。

それらはどれも過去の人生が今の私に与えてくれる夢であり、不自然なものは一つもない。

私には、自らの身体でヒマラヤの山脈を越える力が無かったが、山から苦労して学んだ何かがある。

その何かを道連れに、この目の前の巨峰を越えたとき、山の向こうにはいったい何があるのだろう?


[ 2013/12/10 00:05 ] ネパールトレッキング記録 | TB(-) | CM(0)
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